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『アラビアのロレンス』

『アラビアのロレンス』
1962年イギリス映画 デビッド・リーン監督 ピーター・オトゥール主演

以前にも見ようと思っていて借りていたのに時間がなくて結局観られないまま返してしまった映画。
あまりにも名画として有名でかえって観そびれ続けてきた作品のひとつ。
実在したイギリス人将校T.E.ロレンスの原作を元に作られた歴史大作。
テーマ曲も有名です。

アラブ情勢は今でも複雑で、同時代人でも勉強しないと理解しづらいところがありますが、この映画はさらにさらに昔、1916年のエジプトから始まります。アラブの多数の部族がオスマン帝国から独立する為に戦ったけれども、最終的にはイギリス、フランスに分割統治されてしまう、独立闘争の指揮者であったアラブの王子もそれを了承する、三者でオトナの話しをつけて、結果的にアラブ人にアラブをとりかえす、という大義を掲げて戦ったロレンス大佐は余計者、用済みの人間として去っていく。大雑把にいえば、そういうあらすじです。

圧倒的な砂漠の風景のなかで繰り広げられる物語の中に、見事なほど女性が一人も出てきませんでした。時代背景やイスラム教のことを考えると当然なのかもしれませんが、これだけの大作を今撮ろうとしたら無理やりにでもどこかに美人女優がねじ込まれてしまうかもしれません。むくつけき男性ばかりなのに、息苦しいことなくみることができました。
流れるような砂の模様や、遥か遠くの地平線で揺れる陽炎や、静かに沈んでゆく太陽や、そういった風景が丁寧に撮影されていて、詩情を感じさせるシーンが随所にあったからか、と思いますが、ロレンスの人物像の複雑さも大きかったのではないかと思います。
軍人というよりも、もっととらえどころのない、学者肌なのか芸術家なのか。流血を極度に嫌いながらもやむを得ない成り行きで人を処罰するとそれが快感になる。先見性もあるし、頭脳明晰なのも間違いないのですがそれを飛び越えて、どこか不確かな感じ。貴族の庶子という生い立ちのせいなのか、アイデンティティーがつかめない感じ。
白黒ハッキリさせないと生きていけない厳しい砂漠の世界に生まれたハリト族の首長とは対照的な人物像です。
ロレンス演じたピーター・オトゥールの虚無的な青い瞳は砂漠の中にどこまでも広がっていくのではないかという印象を受けました。

ロレンス




追憶

シドニー・ポラック監督 アーサー・ローレンツ脚本 ロバート・レッドフォード、バーブラ・ストライサンド 1973年 米映画
tuioku


有名な映画だし、レッドフォードの代表作の一つであるのに未見のままでずっときていた映画です。
主題歌のThe Way We Wereはストライサンドの名唱とともに、好きな曲のひとつでした。(彼女の声は本当に素晴らしいと思います、数多の人に歌われていますが、やはりストライサンドのしかも当時のものが一番良いように思います。)

数年前にDVDで初めてみました。
おおまかなストーリーは、学生時代の同級生が再開して恋におちて結婚し、価値観、思想の違いから別れる、というところでしょうか。主題歌のセンチメンタルな甘さも加わって、べたなメロドラマの様相になっていますが、この映画はとても社会派な映画だと思います。
ストライサンド演じるヒロインのケイティが、ともかくうるさい。
何かにつけて、主義主張(社会主義だったりフェミニズムだったり)を声高に張り上げて、それが日常生活のちょっとした場面でも繰り広げられるのだから、そりゃ結婚生活も上手くいくわけありません。
夫となるレッドフォード演じるハベルは、生まれながらに日のあたる道を約束された、容姿も頭脳も全てパーフェクトといってもいいワスプの象徴のような男性。
ケイティは、おそらくマイノリティの出身で、大学生活も奨学金とアルバイトでまかないつつ学生運動に全エネルギーをつぎこみ、ハベル達のように恋愛やスポーツで学生生活を謳歌する余裕もありません。彼女は自身の主張をやめるわけにいかないものを背負っているのです。
そもそもそんな二人が一緒になること自体?と思うのですが、お互いに男と女としては深く惹かれ合うものがあったのでしょう。当時のレッドフォードとストライサンドにはそう思わせる説得力があります。

時代設定が1940年代ですが、映画の制作年を考えるとウーマンリブの全盛期。
現在でこそ、お一人様だとか、草食系男子だ、女子会だ、イクメンだ、とジェンダーフリーという言葉を日常的に耳にすることもないくらい(そういえば一時フェミニズムの論客がいろいろなメディアを賑わしていましたが彼女たちは今どうしているのでしょうか)女性が強くなりましたが、ここに至るまでに何人のケイティがいたのかと思うと目眩がします。(強くなったといっても、男性に混じって仕事をする女性の中にはやはり女である悔しさを味わっている人はいると思いますが)
もしこの材料で、今もう一度映画が作られるとしたら、どうなるのだろうか?
ふとそう思いました。

レッドフォードのフォトジェニックな美しさ、ストライサンドの少し癖のある美貌は特筆ものです。

少年メリケンサック

2009年 宮藤官九郎監督、宮崎あおい主演

クドカンらしいハチャメチャな映画。ネットの動画サイトにアップされているが実はもう20数年前に解散してしまっているパンクバンドをめぐる物語。
いつもはちょっとデキル上司とか若社長とかの役が多い佐藤浩一がだめだめなバンドマン崩れを好演していました。
高円寺と思しき街の居酒屋で日の高いうちからトグロを巻いているあたり、あああ、という感じ。
いるよな、こんな人と思ってしまいました。
実際、中央線沿線は勤め人でもなく、フリー稼業でなにか身を立ててる(そういう人も一杯いますが)風でもなく、何だか年をとっているんだけど、何してる人?という人が多いように思います。あくまで印象です。
堅実な勤め人家庭ばっかりにかこまれて育った自分にしてみれば、当初は結構なカルチャーショックでした。そんなのってアリなんだ、と。

若い頃バイト先で仲良くなった子がインディーズバンドのおっかけをしていて(彼女自身バンド少女でしたが)、よく彼女に連れられて小さなライブハウスにあちこち行きましたが、追っかけてるバンドがどんどん演奏が上手くなっていったのが忘れられません。本当にクオリティーがあがっていくのが面白かったものです。彼女はボーカルの人をあまりに好きすぎて、追いかけすぎてボーカル彼女にマジで睨まれていたらしいですが、彼女自身も頑張ってライブをしたりしていました。夢、という言葉がとても似合う記憶のひとつです。
そのバンドがいまどうなっているかわからないし、彼女もどうしているかわかりません。

この”少年メリケンサック”はそんな個人的なインディーズ体験を思い出させる映画でした。ハチャメチャなわりには、説得力がある、妙にリアルでした。


燃えよドラゴンを観る

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1973年香港、米映画、ブルース・リー主演。

有名な映画ですがちゃんと観たのはこれが初めてです。
少し前までたまにTV放映されていた気がします、冒頭のあたりのシーンはなんとなく見覚えがありました。
今更ながらですが、ブルースリーの見事な肉体にまず驚きました。フォロワーが後を絶たない元祖アクションスターのようなものなのだから、当然なのかもしれませんが、それにしても細マッチョの極みでした。
映画の中でバレるだろうに、という敵の後をつけるシーンがありましたが、あれだけ俊敏な筋肉質の身体をみると、なんとなくありかな、と思わせてしまうあたりがすごいと思います。
話の内容は置いておくとして。
香港に向かうシーンからなんだろう、この画面の質感は、ということから気になりだして、ああそうだ天知茂明智小五郎の美女シリーズの感じとそっくりなんだ、バックに流れてる曲といい、まんまだな、いやいや明智先生の元ネタがこちらということか、どこのアジアかわからない無理やりなシチュエーションの宴会(終わらない相撲、踊りなんかい!)はパノラマ島みたいだし、秘宝が並んでるシーンは黒蜥蜴みたいだし、それから黒人俳優はまるでアースウィンド&ファイアーみたいなパンタロンだし、白人俳優のタートルネックはちょっとパツパツできつそうよね、とか。
要はツッコミどころやツボが多すぎて、自分としてはとても楽しかったということです。

でも一番の発見はブルース・リーでした。
今までスチール写真でしか知りませんでしたが、動くブルース・リーはずっとずっと格好良いのです。
確かに彼は、伝説的な亡くなり方も含めて、スターだったのだなぁと感心した次第です。

ファントム オブ ザ パラダイス

ブライアン・デ・パルマ監督作品 1975年アメリカ映画。
 
学生時代に同級生にすすめられて観た映画です。当時リアルタイムではなく既にマニアック、カルト、そういったくくりの映画として捉えられていたと思うし、そもそも若い人には知らない人も結構いたと思います。自分自身も勧められるまで知りませんでした。
初めて観た後の感想は、唖然、のヒトコトでした。とんでもないものを観てしまった、どうしよう。
オペラ座の怪人とファウストとドリアングレイの肖像を全部一緒くたにしたような内容の物語、大物プロデューサーに曲を盗まれた無名の作曲家がたどる運命の苛酷さ、シュールさ。ヒロインに対する純愛、ヒロインの歌手として成功したいという強い野心、悪魔と言ってもよい大物プロデューサー。そういう諸々が交錯する中、ポール・ウィリアムズの楽曲が散りばめられて、(曲はどれも良いのです。)もう何だかわからないくらいのカオスを生み出していました。

ヒロイン演じるジェシカ・ハーパがオールドソウル~愛は永遠の灯り~を歌うシーンは忘れられません。
白い顔の中にぽっかりとした瞳、小柄で華奢な容姿からは考えられない低く響くベルベットのような歌声。
スコアも何も無いのですが、記憶をたどってピアノで弾いてみました。

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