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風立ちぬ を観て

 話題になっている宮崎駿監督の「風立ちぬ」を観ました。
 賛否両論、面白いと言う人と全く良さが分からないと言う人に評価が分かれているのは知っていましたが私はとても良い映画だと思いました。
 人が何かに取り組んで一生懸命生きること、一途な思いや理想を持って生きることの美しさを描きつつ、そうして潔く生きていてもなお人は矛盾を抱えて生きるのだと言う事、生きるという事は単純な事ではなく割り切れない様々な事柄、思いを受けいらなければならないのだと言う事を描いた、心のとても奥深い所に響いてくる、本当に良い映画だったと思います。全く日々を送る中で人間が何に一番苦しむのかといえば、自らが抱える様々な矛盾に苦悩しているわけですから。
 まだ公開中の作品ですから内容に触れるようなことは控えたいと思いますが、思っていた以上にメッセージ色が強かったように思います。謎のドイツ人の言葉を借りて監督は今の日本への警鐘を鳴らしているようにも思いました。
 このドイツ人が軽井沢のホテルでピアノを弾きながら歌ったdas gibt's nur einmal〜ただ一度だけ〜という歌をサロンにいた人々が自然に合唱するシーンは秀逸でした。一瞬の夢のようなはかない美しさだったと思います。
 「ただ一度だけ」という歌は『会議は踊る」というドイツ映画の主題歌で、有名な曲だと思いますが「風立ちぬ」全体に流れる久石譲さんの「旅路」と言う曲は、『ただ一度だけ』へのアンサーソングではないのかなぁと気になって仕方ありません。バリエーションというか変奏曲というか。。。。『ただ一度だけ』変奏曲。
 空を跳ぶシーン、大地震がやってきたシーン、緑が匂うような高原の景色などアニメとしての魅力も充分堪能できますが、これは全く子供向けのところのない正真正銘大人の映画でした。
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