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ブラッドメルドー

27日(金)、ブラッドメルドートリオを聴きにサントリーホールへ行きました。
20年以上前に行ったきりのホールは記憶にあるよりも意外に小さくて、座席に着いた時は調律師によるピアノのチューニングの真っ最中でした。ステージの前方真ん中にウッドベースとドラム、パーカッション、ピアノが置かれていて、そのこじんまりとした感じが、これから始まるステージがクラシックのシンフォニーではなくて、もう少し気楽に聴ける音楽だということを実感させました。実際に演奏中身を乗り出して頬杖をついて聴いていたお客さんも結構いたように思います。二階のピアニストの手がよく見える場所だったせいかもしれませんが。ジャズのライブハウスのような気楽さで聴くことができて、とても気分が良かったです。

大きな拍手と共にステージに表れたブラッドメルドーは思っていたよりもずっと細身で、長袖のジャケットを着ていたので右腕にあるはずのタトゥーは見ることができませんでした。その細身の感じとか、ジャケットを着た佇まいは、音楽とは別の意味でちょっとビルエバンスを思い起こさせるものがありました。

ごくごくあたり前のように、本当に自然に演奏が始まりました。人が呼吸をするように。
曲目はほとんど知らない曲ばかりでしたが、おそらく大部分オリジナル、ちゃんと起承転結があるプログラムだったように思います。

最初2,3曲は、あれ、ブラッドメルドーのピアノってもっと響かなかったっけ?、というくらいベースとドラムの音が強く感じられて、(若干ベースがこもって聴こえたのは座席位置のせいっだったのか、でも途中からまるで気にならなくなりました)メルドーはピアノの種をぱらぱら蒔いている感じ。
3、4曲目にビートルズのAnd I loved herが始まると、一気にメルドーのピアノが歌い始めました。
かねてから、ロックの色々な曲をアレンジ、演奏して、その都度好評価の人ですが、このアレンジも素晴らしかったです。単純なカバーではなくてちゃんとジャズのハーモニーに乗っとって、ピアノトリオで演奏されることで、この曲は新たな顔を聴く人にみせてくれました。

それから終盤まで怒涛のようにブラッドメルドーの世界が展開されていくのですが、ともかく素晴らしい。
メルドーの特徴だと思うのですが右手と左手がいつの間にか入れ替わる、左手の自在さ、ダンパーペダルの巧みさ、(余韻がちゃんと次の和音と重なった時は思わずうなりました)mcを挟んでいても、曲と曲のあいだに生まれる空間ですら音楽の一部にしているような緻密さ。
旋回舞踊の音楽のように、変化しながら繰り返されていく曲、ドビュッシーのようなハーモニーが印象的な曲、ノラ・ジョーンズを混ぜたらさぞかし素敵だろうと思わせる曲。
ブラッドメルドーは、ジャズもロックもクラシックも民族音楽も全て飲み込んで血と肉にしてみせる天才、ジャンルを飛び越えて現代のピアニストの最高峰といっても言い過ぎではないのではないか、と思いました。

アンコールは3曲。最後の最後は4ビートのブルースで、これはメンバー全員気楽に楽しんでいたようですが、聴いている人達もああこれこれ、とノッていた気がします。ジャズ好きにはたまらなく親しみを感じる最後の曲でした。
ブラッドメルドーの4ビートを聴くことができるとは思っていませんでした。




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猛暑の始まり

この2.3日でいよいよ本格的な夏が始まった感じです。
昨日は夫と二人で自転車で阿佐ヶ谷方面に行きましたが、走りながら「今日は本当に暑いんだね」と言いながら所々木陰で飲みものを飲んで休みながらの行程になりました。あんな暑い中物好きですが、最近中野くらいまでは自転車で行くのがあたりまえになってしまっていて、感覚の麻痺とは恐ろしいと思います。
ちゃんとした走る用の自転車ではなくて、本当のママチャリとママチャリよりももっと簡単なシティサイクル?なので、のんきな絵だろうな、と思います。

今日はまたまた間を開けてしまったセッションに行きました。
私が知っている限りでは最多の参加者で、一瞬帰ろうかと思ったほどでした。

酒とバラの日々
枯葉
Alone together

参加者は結構他の場所での見知った人が多く、狭いエリアで動いているのだからそれはそうだろうと思います。
人数が多かったせいもあると思いますが、今日は歌の伴奏をやらせてもらいました。
その内の一人は、やや年配の女性で、以前聞いた時から密かに素敵な歌を歌う人だな、と思っていたので嬉しかったのですが、きっと彼女が思い描いていたのとは違うイントロの入り方を私がしてしまって、一瞬ううん?という表情の後、果敢にもちゃんと歌に入ってくださって、ああ申し訳ない、ああさすがに大人の余裕だぁ、と思うばかりでした。
しかし結局何が起ころうと、なんでもありなのが本来ジャズだというならば、あれはあれでいいのかな、と思うことにします。
ちょっと楽しかったかな。

やがて来る時

父が酷い脳梗塞で倒れてからもうすぐ丸4年経とうとしています。
たまたま運ばれた病院に、今思えば大変腕の良い脳外科の医師が当直で居てくれたために、6時間に及ぶ大手術をしてもらえて、一命をとりとめました。
術後の説明では、こういう手術の後は脳が腫れてきて、頭蓋骨を外さなくてはならないくらいになる可能性があって、そうなった時のことを覚悟しておくこと、うまくそうならずにすんでも、左脳の損傷が激しいから言葉も出ないし、右半身は完全マヒ、上手く行っても認知症レベル、それ以上に戻れることがあったら、奇跡ですよと言うことでした。覚悟して、もしもの時のために父の兄弟〜伯父、叔父、叔母に連絡を入れて、混乱の中で2週間を過ごしましたが、父は生き長らえました。それどころか、病院のリハビリがとても良かったためか、目に見えて回復していくように思えました。この頃はたった一人の孫娘の顔を見ると名前を呼んで涙ぐんだり、言語のリハビリではちゃんと発語の練習もできていたし、食事はとろみをつけた柔らかいものを口から食べることができていました。自分の左手で。

お医者さんというのは最悪の事を言っておくものなんだな、と思ったものです。

しかし、医療の病院というのは入院できる期限があって、あと2ヶ月あまりという頃にとても感じの良い相談員の方が、次に移れそうな、病院ではなく老人保健施設のはなしをたくさん持ってくるようになりました。こちらとしては、ともかく大変な状態の父が行く場所がなくなったら困るというおもいから、同じ市内にある老健の一つに移ることに決めました。自宅からはとても遠いのにも関わらず。
私も父が倒れたことで父自身の色々な処理しなければいけない事柄を山ほど抱えて、なおかつ仕事にも行っていたので必死でした。

老健に最初連れて行って、じゃあとりあえず帰るからね、と言った私のコートのポケットを父が左手で必死に掴んだのを忘れられません。どういうわけかとても嫌がっていました。
私がその後父の様子を見に行くたびに私自身もその場所に何とも言えない不信感を持つようになりました。いつも髭が伸びっぱなし、食事が終わって食べこぼしをシャツにつけたまま、口の周りに汚れがついたままの父をその場所に放置したまま、などの対応に大変な不満を感じなんとかしなければ、と思っているときに、自宅から自転車で30分ほどの老人保健施設から、空きが出ました入所しませんかという嬉しい知らせが入りました。
面接に行った時に半年から1年まちです、と言われていたのに、二ヶ月弱で入れたのです。
早々に、最初の老健を引き上げて、自宅近くに父を連れてきたのは言うまでもありません。
父も最初から気に入ったようで、機嫌よく入所してくれました。
実際、老人保健施設という同じカテゴリーにも関わらず、最初の老健と自宅近くの老健には雲泥の差があったと思います。スタッフの人達の連携、意欲、所内全体の空気。。

しかしそこでの生活も長く続きませんでした。
嚥下に支障があるようで、体重減少が気になります、ということで病院へ入院。
そこの医師に言われたことは、「お父さんはもう嚥下力が落ちてきています、誤嚥でもしようものなら、肺炎を起こして取り返しがつかなくなる。口から栄養をとることはもうできません、お父さんの生きる道は'胃ろう’をつくることです…」ということでした。
それしか方法がないというなら、仕方がないのかなと思い、承諾して胃ろうを造ってもらいました。
そこから後は坂道をゆっくりと転がり落ちるように、父の残された機能も徐々に失われていったようにおもいます。
現在はもう寝たきりで、身体のあちこちに管をさして生きている状態です。それでも、いくらかはっきりしている時はベッドの手すりを掴んで起き上がろうとするときもあります。もう孫の名前を呼ぶこともなく、私の話しかけにもまばたきで応じるばかりです。

最近新聞で殊更胃ろうの話題が取り上げられているように思いますが、本当に難しい。

それより何より私は、父が倒れてから現在までの父の生はなんだったのだろう、と思うと本当にいたたまれなくなります。
それでも娘としてはどんな状態でも親には居てもらいたいと思うのです。
あんなに転院ばかりさせられるシステムでなく、最初の病院でずっとケアを受けられていたら、もう少し違ったのではないか、と思うことも少なくありません。

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きままに音楽や映画、時々本のこと、日常のことを書きます。
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